公開: 2022/12/1
改訂: -
# D.運営管理 MEMO
# 生産
- 素材などの低い価値の経済材を投入して、より高い価値の材に変換する行為または活動です。
- インプットに付加価値をつけてアウトプットすることです。
# 生産の4M
- 生産に使われる4つの要素を表現したフレームワークです。
- Man: 人
- Machine: 生産設備
- Material: 資材
- Method: 生産方法
# QCD
- 生産した製品の価値を測定するフレームワークです。
- Quality: 品質
- Cost: 費用
- Delivery: 納期
# 管理
- ヒト・モノ・カネ・情報などの経営リソースを最適に計画、運用、統制する手続き及び活動のことです。
# PDCA
- 生産性を向上させるためのフレームワークです。
- Plan: 計画を立てる
- Do: 計画を実行する
- Check: 結果を確認する
- Act: 対策を講ずる
- PDCAの順にサイクルで回すことが生産性向上につながります。
# 第一次管理
- 生産価値を表すQCDを満たすために管理すべき事項です。
- 品質管理: Qualityを管理します
- 原価管理: Costを管理します
- 工程管理: Deliveryを管理します
# 品質管理
- 社会や市場の要求事項を調査し、要求に見合う品質を保証するための管理活動を言います。
- 品質管理によって以下のような状態となることを目指します。
- 不良品が少ない状態
- 品質が均一な状態
- 加工精度が向上する状態
# 原価管理
- 原価を見積もり、計画された原価を維持しつつ改善を行う管理活動のことです。
- 原価管理によって以下のような状態となることを目指します。
- 稼働率向上によりコスト引き下げできる状態
- 目標コストを達成する状態
# 工程管理
- 製品を所定期日までに一定コストで生産するため、人・設備・素材・生産方法を合理的に行うための管理活動を言います。
- 工程管理により以下のような状態となることを目指します。
- 納期を遵守できる状態
- 精算をより迅速に行える状態
# 第二次管理
- 第一次管理に加えて設計、調達、作業の生産機能をカバーします。
- 第一次管理を補完する立ち位置であり、以下のようにさまざまな管理事項があります。
- 資材管理
- 外注管理
- 在庫管理
- 運搬管理
- 設備管理
- 工場計画
- 作業管理
- 人事管理
- 労務管理
- ...他
# 生産性
- 生産性は投入量に対する産出量の比です。
- 以下の式が基本的な考えになります。
- 生産性 = 算出量(output) ÷ 投入量(input)
# 生産性の種類
- より詳細な分析を行うため、生産性にはさまざまな指標があります。
- 労働生産性
- 設備生産性
- 操業度
- 稼働率
- 歩留まり
- 直行率
- スループット
- ...他
# 労働生産性
- アウトプットに対する労働量の比率で見る指標で、工数あたりの生産量とも言えます。
- 労働生産性は以下の式で計算します。
- 生産量(金額ベース) ÷ 投入工数
# 設備生産性
- 生産設備の有効利用の度合いを見る指標です
- 設備生産性は以下の式で計算します。
- 生産量(金額ベース) ÷ 設備稼働時間
- あるいは、以下の式で計算することもあります。
- 生産量(金額ベース) ÷ 設備台数
# 操業度
- 標準的な生産量に対するアウトプットを見る指標で、設備稼働率を見ます。
- 創業度は以下の式で計算します。
- 実際生産量 ÷ 標準生産量
# 稼働率
- 分析対象(ヒト・設備)がどれだけ稼働しているかを見る指標です。
- 稼働率は以下の式で計算します。
- 有効作業時間 ÷ 設備稼働時間
- なお、有効作業時間は実働時間から非生産時間を引いたものです。
# 歩留まり
- 投入材料のうちどれだけが産出されたかを確認する指標です。
- 歩留まりは以下の式で計算します。
- 産出量 ÷ 原材料投入量
# 直行率
- 最初の工程から最後の工程まで順調に通過した製品の比率を表す指標です。
- 直行率は以下の式で計算します。
- ノータッチ適合品の数量 ÷ 生産数量
# スループット
- 単位時間あたりに処理される仕事量を測る指標です。
- スループットは以下の式で計算されます。
- 仕事量 ÷ 処理時間
# 生産形態
- 作り方のスタイルです。
- 製品の性質や市場の変化に合わせて、適切な生産形態を選択します。
# 受注生産
- 顧客が定めた製品を生産する方式です。
# 見込生産
- 市場の需要を見越して生産する方式です。
# 多品種少量生産
- 類似性の低い製品を多品種にわたって少量ずつ生産する方式です。
# 少品種多量生産
- 類似性の高い製品を商品種に限定して大量に生産する方式です。
# 個別生産
- ここの注文に応じて、その場限りの生産を行う方式です。
- 製品仕様を顧客が定めることが一般的です。
- 生産量は顧客の注文量に基づきます。
- 注文ごとに異なる仕様の製品を生産するため、様々な製品生産に対応できる汎用性の高い機械設備を利用します。
- 完成した製品は即時に納品することが多く、在庫を持ちません。
# ロット生産
- 品種ごとに生産量をまとめ、一定の単位数量ごとに生産を行う方式です。
- 同じ設備で複数製品を製造している場合は、必ずロット生産になります。
- 個別生産と大量生産の中間のような位置付けです。
# 連続生産
- 一定の期間、同じ製品を製造し続ける方式です。
- 製品仕様を製造者が決定します。
- 生産量は予測された需要量で決定します。
- 効率的な生産が求められるため、専用の機械設備を用意することが多いです。
- 需要の変動に対応するため、一定量の在庫を持ちます。
# レイアウト
- 合理的に運搬、処理、移動がおコア寝るような建物、設備、装置の配置を実施することです。
# 工場計画
- 工場を確立するための計画です。
- 以下の7ステップで計画が行われます。
- 方針決定
- 敷地選定
- 基本レイアウト
- 建築設計
- 詳細レイアウト
- 工事
- 移設・設置
# SLP: システマチックレイアウトプランニング
- リチャードミューサーが提唱した体系的なレイアウト計画の手法です。
- 以下のステップで実施します。
- P-Q分析
- アクティビティ相互関係ダイアグラム
- 物の流れ分析
- アクティビティ相互関係分析
- スペース相互関係ダイヤグラム
# P-Q分析
- 製品種類(Product)と生産量(Quantity)のグラフです。
- 縦軸に生産量、横軸に製品種類を置くことで、製品を生産量で並べることができます。
- 並べた結果、生産量に応じて以下のようなレイアウトにすることを検討します。
- 生産量の多い製品: 製品別レイアウト
- 生産量の少ない製品: 工程別レイアウト
- 中程度の製品: GT(グループテクノロジー)レイアウト
# アクティビティ相互関連図
- 鉛筆の先っぽのような見た目の図です。
- 1つ1つの設備の近接性を物の流れに注目して分析し、レイアウトを検討します。
# 製品固定型レイアウト
- 船や飛行機などの大型製品の製造に適したレイアウトです。
- 材料が固定された場所にあり、そこに工具や設備が運び込まれて加工が行われます。
# 工程別レイアウト
- 機能などの類似した設備を集めて配置するレイアウトです。
# 製品別レイアウト
- 少品種多量生産で適用されるレイアウトです。
- 設備を直線的に配置して連続生産を実施します。
# Group-technology Layout
- 製品別レイアウトと工程別レイアウトの中間にあたるレイアウトです。
- 部品の類似性を基準としてグループ化し、生産活動をモジュール化することでレイアウトを検討します。
# 製品開発
- 顧客ニーズを把握した上で設計などを行うことです。
# 製品ライフサイクル(PLC: Product Lyfe Cycle)
- 製品寿命のことです。設計から商品打切りまでの長い期間を指します。
- 製品は以下のライフサイクルを歩みます。
- 導入期
- 成長期
- 成熟期
- 衰退期
# 顧客満足
- 製品開発の出発点は顧客のニーズです。
- 顧客満足を高めるためには、ニーズを把握した上で製品開発を行う必要があります。
# 製品設計
# デザインレビュー
- 設計した結果に関するレビューです。文書により審査が行われます。
# 価値工学(VE: Value Engineering)
- 価値と機能に注目して、価値の向上に努めるための考え方です。
- VEにおいて以下の式で価値を示します。
- Value = Function ÷ Cost
- 価値を向上させる組み合わせは以下の通りです。
- 原価を下げて(⤵︎)、機能を一定にする(→)
- 原価を下げて(⤵︎)、機能を上げる(⤴︎)
- 原価を上げて(⤴︎)、機能をそれ以上に上げる(⤴︎⤴︎)
- 原価を一定にして(→)、機能を上げる(⤴︎)
- なお、VEの考えでは機能を下げる選択肢は選ばれません。
# VEにおける価値
- VEにおける価値は以下のように分類されます。
- 使用価値: 使用することで満たす価値
- 交換価値: 欲しいものと交換できる価値
- コスト価値: 総コストが価値と等しいとする考え方
- 希少価値: 希少性の高いものの価値
- 貴重価値: 所有することで誇りや満足度を得られる価値
# VEのジョブプラン
- VEを行うための標準化された手順のことです。
- 次のようなステップで実施します。
- 対象の選定
- 機能定義
- 機能評価
- 改善案の提案
- 実施とフォローアップ
# アイデアの原則
- ブレーンストーミングを実施する際の基本的な4つのルールのことです。
- 結論を出さないルール
- 結論は次回に持ち越し、アイデアを広げる意見に注力する
- 自由な意見を尊重するルール
- ありきたりで一般的なアイデアより奇抜なアイデアを歓迎する
- 質より量を重視するルール
- 異なる視点での考察/切り口を試す
- アイデアを結合し改善するルール
- 別のアイデアを変化させたり結合することで、新しいアイデアを生む。他者意見への便乗を歓迎する。
# 信頼性の設計
- 故障や事故が発生しないような設計を行うことです。
# フェールセーフ(Fail Safe)
- 例え事故が起きたとしても、安全を確保しながらシステムを停止させる手法です。
# フェールソフト(Fail soft)
- フェールセーフと比べ、徐々に収束させていく基づいた手法です。
# フールプルーフ
- ユーザが色々な操作をしてもエラーにならないような工夫です。
- Foolは愚か者のことです。
- 例えば、加工マシンのカバーで接触防止等があります。
# 生産方式
# ライン生産方式
- 生産ライン上に作業を割り当てて、品物が流れるとともに加工が進む方式です。
- 単一ライン生産方式と多品種ライン生産方式があります。
# 単一ライン生産方式
- 特定の単一品種を連続的に生産する方式です。
# 多品種ライン生産方式
- 複数の品種を同一ラインで生産する方式です。
- 2つの種類があります。
- ライン切替方式: 一定の期間は特定の1種を生産して切り替える方式
- 混流生産方式: 作業方法の類似する多種を同じラインで生産する方式
# ラインバランシング
- 生産ラインで行う各作業の作業量を均一化することです。
- 各工程の作業時間が異なる場合、最も時間の掛かる工程が生産速度に影響します。(ボトルネック)
- 以下の手順で実施します。
- サイクルタイムの決定
- 最小作業工程数の計算
- ライン編成
- 編成効率の計算
# サイクルタイム
- 生産ラインに資材を投入する時間の間隔のことです。
- 製品が算出される時間に等しいと考えられるため、生産速度の逆数で表現されます。
- サイクルタイムは以下の式で計算されます。
- 1日の正味稼働時間 ÷ 1日の生産計画量
# 最小作業工程数
- サイクルタイムを維持するために最小限必要な作業工程の数をのことです。
- 以下の式で計算されます。
- 総作業時間 ÷ サイクルタイム
# ラインバランシング
- 各工程の作業時間が均等になるように要素作業を作業工程に割り付けることです。
- 1つの工程でもサイクルタイムを超えるものがあれば、それが新しいサイクルタイムになってしまいます。
# 編成効率の計算
- 各工程の作業がどれだけ均一であるかを測る指標です。
- 編成効率は以下の式で計算します。
- 編成効率 = 各工程の作業時間合計 ÷ (工程数 × サイクルタイム)
- なお無駄が生じている部分はバランスロスといい、以下の式で計算します。
- バランスロス = 100% - 編成効率
# 編成効率を改善する方法
- 以下のような方法が考えられます。
- ネック工程の作業を機械等によって自動化する
- ネック作業の分割、または余力ある作業の合併を行う
- 作業を並列で実施できるようにする
- 作業方法を改善する
- 作業者の配置換えや多能工化を行う
# セル生産方式
- 一人の作業者が製品を組み立てる生産方式です。
# 自動加工システム
- コンピュータ制御によって多品種生産が可能なシステムのことです。
- 以下のようなシステムが使用されます。
- CNC(Computer Numerical Control)
- APC(Automatic Platte Changer)
- AGV(Automated Guided Vehicle)
- FMS(Flexsible Manufacturing System)
# マスカスタマイゼーション
- 部品を交換可能な形式で製造し、組み合わせによって顧客ごとにカスタマイズした製品を提供する形態です。
# 管理方式
# 製番管理方式
- 製造番号を管理する方式です。
- 個別生産等の生産量が少ない製品に使用されます。
# 追番管理方式
- 追番という通し番号によって数量管理と日程管理を行う方式です。
- ロット生産において日程別の生産量の管理等で使用されます。
# プッシュ型/プル型
- プッシュ型は、前工程がスケジュール通りに後工程へ仕掛品を送り込んでいく管理方式です。
- プル型は、後工程が必要な量を持って行ったときに生産を行う方式です。
# ジャストインタイム
- 後工程の要求に合わせて、必要なものを必要なときに供給する管理方式です。
- 仕掛品や工程の遊休を減らし、リードタイムを短縮することを目的に実施されます。
# オーダーエントリー方式
- 顧客のオーダーを元に、生産工程の製品に仕様変更を加える生産方式です。
# 生産座席予約方式
- 受注時に、製造設備の使用日程等の予約を割り当てる管理方式です。
# 生産計画
- 生産をする際の計画です。需要予測に基づいて作成されます。
# 生産計画の必要性
以下のような事項を管理し、安定生産と変化に対応します。
- 納期、生産数量
- 稼働率、操業度
- 在庫量
- 人員
# 変化への対応
- 環境変化に対応するため、以下のような方法で影響を緩衝します。
- モノ: 資材、仕掛品、余剰在庫
- ケイパビリティ: 余剰生産能力、保管スペース、外注先
- 時間: 余裕納期、計画余裕
# 長期予測
- 工場新設にあたり、設備能力の決定などに用いられます。
# 中短期予測
- 人員計画、生産計画、在庫管理に利用されます。
# 需要予測
- 生産予測とも言います。
- 時系列で見る手段として以下の方法があります。
- 傾向: 長期にわたって緩やかに上昇/下降していること
- 循環: 数年〜数十年ごとに繰り返されること
- 季節: 1年の周期の中で規則に繰り返されること
- データ分析による手段として以下の方法があります。
- 移動平均法
- 加重移動平均法
- 指数平滑法
- 回帰分析
# バックワード方式
- 標準的な作業日程を決める方法の1つです。
- 完成納期に合わせて日程を計算し、基準となる日程を決める方式です。
# フォワード方式
- 標準的な作業日程を決める方法の1つです。
- 前工程から後工程に向かって所要日数を計算し、基準となる日程を決める方式です。
# フローショップスケジューリング
- 作業順序に沿って機械を配置する生産システムです。
# 順序づけ手法
- 必要なジョブの開始時点/終了時点をあらかじめ定めて生産を行う方法です。
# ディスパッチング手法
- 作業が終わったタイミングで次の作業を都度決めていく方式です。
- 以下のような種類があります。
- 先着順: FCFC(First Come First Served)
- 最小加工時間順: SPT(Shortest Processing Time first)
- 最早能基準: DDATE(earlist Due - DATA first)
- 最大作業時間順: LPT(Longest Processing Time first)
- 最小余力順: SLACK
# PERT(Program Evaluation and Review Technique)
- 各工程の作業順序と所要時間を明らかにする手法です。
- アローダイヤグラムという図で表現します。
# 線形計画法: LP(Liner Programming)
- 複数の代案と制約条件を1次式(直線)にすることで、最大効率を得られる案を見つける手法です。
- プロダクトミックスを計算するために使われます。
# 資材管理
- 生産において必要なときに適切な量を調達するための管理です。
# 資材標準化のメリット
- 資材を標準化することで以下のメリットが得られます。
- 単価引き下げ: ボリュームディスカウントによる効果です
- 容易な材料確保: 共通部材が増えれば、製品間で融通が効くようになる。
- 品質の安定化: 加工回数が増えて従業員の習熟度が向上します。
- 在庫の削減: 資材の種類が減ることで在庫管理が容易になります。
# 資材標準化のデメリット
- 一方、以下のデメリットがあります。
- 設計の制約: 標準化が進むと設計の自由度が低下します。
- 環境変化の対応遅れ: 標準化した資材が同時期かつ大量に陳腐化するリスクがあります。
# MRP(Material Requirements Planning)
- 生産に必要な資材について、量と時期を管理する手法です。
# BOM(Bill Of Material)
- 製品を作るために必要な部品を一覧表にしたものです。
- 以下のような種類があります。
- サマリー型: 最終製品1つ製造するために必要な材料を列挙したもの。組み立てが単純なときに採用されます。
- ストラクチャー型: 親部品/子部品として全ての構成を階層的に表現する管理表です。
# 在庫管理
- 必要な資材を、必要なときに、必要な量を、必要な場所へ供給するための在庫数を管理することです。
# 過剰在庫
- 在庫を過剰に保有すると次のようなデメリットが生じます。
- 運転資金/金利の増大
- 在庫維持費の発生
- 倉庫の拡大によるコスト増
- 環境変化に伴う死蔵品の影響増大
# 在庫を保有する理由
- 過剰在庫のコストを考慮すると、在庫は持たないこと(ゼロ個)が理想です。
- しかし、企業は以下のような理由で在庫を保有します。
- 短納期への対応をするため
- 購買手続きの手間を減らすため
- 納期遅延を防ぐため
- 需要の変化に対応するため
- 補修や修繕に使用するため
# 在庫回転率
- 一定期間における在庫の回転日数のことです。
- 以下の式で計算します。
- 所要量 ÷ 平均在庫数
- 値が高いほど資金回収が早いことを示します。
# 在庫月数
- 在庫が倉庫に残っている期間を示す指標です。
- 以下の式で計算します。
- 平均在庫量 ÷ 平均出庫数量
- 値が低いほど運転資本が少なく済みます。
# 品切率
- 製品、原材料、部品について、品切の発生した割合を示す指標です。
# 定期発注方式
- 発注方式の1つです。
- あらかじめ発注を行う時期を決めておき、そのときに発注量を決めます。
- 発注量は以下の式で計算します。
- (発注間隔+調達期間) × 需要量 + 安全在庫数 - 現在の在庫量 - 現在の発注残
# 定量発注方式
- 発注方式の1つです。
- 発注を行う在庫量を決めておき、下回ったときに発注を行う方法です。
# 経済的発注点: EOQ(Economic Order Quantity)
- 材料の調達に掛かるコストが最小となる発注量のことです。
- 経済的発注量は以下の式で計算します。
- √(2 × 1回あたりの発注費用 × 年間総所要量 ÷ 単価)
# 包装法
- 現品をベースとした簡易的な在庫管理の手法です。
- 手元にある在庫のうち、発注点相当の在庫を包み、残りはバラとして売り場に出します。
- バラが売れて包装を解くときに発注を行います。
# ダブルビン方式
- 2つの容器/棚を用意して、片方ずつ販売する方式です。
- 一方が空になったタイミングで発注を行います。
# 三棚法
- 3つの棚を用意して、順番に販売する方法です。
- 1つ目の棚が空になったら発注を行います。
- 2つ目の棚も空になっても入庫されない場合は、催促を行います。
# ABC分析
- 品目ごとに取り扱い量または取り扱い金額の大きい順に並べ、重点管理すべきポイントを抽出する手法です。
- ABCの3つに分類することからABC分析と呼ばれます。
- Aグループは最も厳密な管理を行うべきです。以下のような管理を行います。
- 定期発注方式を採用する
- 在庫は定期的に調査を行う
- 在庫量はなるべく少なくする
- BグループはAとCの中間程度の管理を行います。
- 定量発注方式を採用する
- Cグループは労力を減らすために簡易的な在庫管理を行います。
- 包装法、三棚法、ダブルビンなどを行います。
# エシェロン在庫
- サプライチェーンの川下を含めた在庫量のことです。
- 例えば、物流拠点を起点に考えると、卸売業や小売業が持つ在庫を含めた数量を管理します。
# 購買管理
- 適正品質の資材を、必要な量だけ、必要な時に調達することです。
# 購買管理の基本的な業務
- 購買管理としては次のような業務を行います。
- 購買方針: 購買先や契約に関する基準、組織の役割分担、手続き手順などを定める
- 購買計画: 購買品目、数量、時期、予算などを決める
- 発注/契約: 調査、交渉契約を行う
- 事務処理: 事務手続きを行う
- 納期管理: 確実に納入させるための管理を行う
- 調査: 市場状況、購入先、原価などの調査を行う
# 外注
- 自組織が指定する仕様や納期に基づいて、外部企業に加工や組み立てを委託することです。
# 外注のメリット
- 外注を活用することで以下のようなメリットが得られます。
- 自組織に無い専門技術の活用
- コストの流動化
- 需要変動に対する緩衝
- コストダウン: 自社で行うより低いコストで生産ができる場合
- 本来業務への注力: 自組織社員がコア業務に取り組める
# 内外作区分
- ある業務を内製で行うか外注を活用するかを決める区分です。
# 外注先への資材支給
- 外注企業が加工を行うにあたって、必要な資材を準備する方法を決める必要があります。
- 自給: 委託先が自ら材料を確保する方法です。
- 無償支給: 材料を無償で支給し、加工料金だけを請求する方式です。
- 有償支給: 材料を買い取ってもらい、支払いの際に材料費を返還する方式です。
# 無償支給
- 委託先に材料を無償で支給し、加工料金だけを請求する方式です。
- 決算の際に行う棚卸しが大変になるデメリットがあります。
# 有償支給
- 材料を買い取ってもらい、支払いの際に材料費を返還する方式です。
- 残った材料の回収が不要になるメリットがあります。
# 外注先の選定
- 外注先の選定基準として次のような事項を確認する必要があります。
- 技術: ヒト/設備の両面で確認
- 管理: 工程管理/品質管理を確認
- 立地
- 取引: 機密事項に影響がないか確認
- 信用: 企業間の信用を確認
- 経営: 資本金、規模、経営方針などを確認
# 外注先に対する教育
- 外注先企業に対する教育または指導を行うことで、より効率的な生産に繋げることができます。
- 教育方法として以下のようなものがあります。
- 巡回指導: 外注企業を定期定期に訪問する
- 集合教育: 委託元に人を集めて講義や実習を行う
- 出向: 一定期間指導を行う者が相手企業に常駐する
# 品質管理
- 相手の要求する品質の製品を作るための管理活動です。
# 品質管理の目的
- 品質管理は次の4つの目的で行います
- 製品不良を防止して不良品コストを下げること
- 製品や作業のバラつきを少なくすること
- 顧客に対して品質を保証すること
- 改良によって製品の品質を高めること
# 設計品質
- 製造元がねらう品質のことです。ねらいの品質とも呼びます。
# 製造品質
- 製造された製品の実態の品質のことです。できばの品質ともいいます。
# 使用品質
- 故障などの発生時に済みやかに対応することを務める度合いです。サービスの品質ともいいます。
# デザインイン
- 製品の企画/設計を行う際、研究部門や製造部門などと協議することで、研究開発期間の短縮や原価低減を図ることです。
# QCサークル
- 同じ職場内で品質管理を自主的に行うグループのことです。
# TQC: Total Quality Control
- 全員参加によって実現する全社的品質管理活動です。
# TQM: Total Quality Management
- 組織構成員すべてによる全社的な品質管理によって、社会の利益をもたらす経営手法のことです。
# TQMの原則
- TQM: Total Quality Management における原則は以下の通りです。
- 目的
- マーケットイン: 市場にーずを把握してそれを満たす製品を提供すること
- 後工程はお客様: 後工程のことをお客様と考えて自工程の出来栄えを保証する考え方
- 品質第一: 品質が良ければ手直しや不良品が減って原価低減や効率UPになる考え方
- 手段
- プロセス管理: 結果ではなくプロセスに着目する考え方
- 標準化: 最も優れた方法を標準と定めて効率を高めること
- 源流管理: 顧客のニーズを明らかにして、仕事の源流まで遡って改善をする考え方
- PDCA: 継続的にPDCA: Plan, Do, Check, Act のサイクルを回す考え方
- 再発防止: 根本原因に遡って同じ問題が二度と発生しないようにする考え方
- 未然防止: 計画段階でリスクを洗い出しておき、あらかじめ対策しておく考え方
- 潜在トラブルの顕在化: TQM導入前に表面化していない問題を洗い出しておく
- QCDに基づく管理: QCD: Quality, Cost, Delivery に基づいてプロセスを検討する
- 重点志向: リソースは限られているため、改善効果の大きい問題から対応していく
- 事実に基づく管理: データや事実に基づいで管理する
- 組織運営
- リーダーシップ: 顧客やステークホルダーのニーズを考慮して方針/役割を定める
- 全員参加: トップから社員までの全部門/全社員が品質管理に参加する
- 人間性尊重: 人間の感情を尊重して、能力をフルに発揮できるようにする
- 教育・訓練の重視: 長期的な視野で教育・育成を図る
# ISO 9000
- ISOが制定した品質マネジメントに関する規格です。
- 下記の事項をシステムとして(組織体制などもシステムに含まれます)構築することが求められます。
- 企業の品質について方針を定めること
- 品質に関する各人の役割と権限を明確にすること
- 品質管理システムを文書化すること
- 文書化した通りに現場が実行していることを記録すること(説明責任を果たすこと)
- 顧客の求める品質を確保していることをいつでも開示できるように準備すること
# ISO 9000の認証取得手続き
- 一般的に次の手続きで認証を行います。
- ISO推進委員会の発足
- 推進者の決定
- 現状分析
- 「品質マニュアル」作成
- 実績を用意
- 内部監査の実施
- 審査・登録申請
# HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point
- 食品の製造/加工において、安全を維持するために重要管理点を定めて管理する手法です。
- HACCPはハサップと読みます。
- HACCCPは次の手順で実行されます。
- 危害分析
- 重要管理点の特定
- 管理基準の設定
- モニタリング方法の設定
- 改善措置の設定
- 検証方法の設定
- 記録保存及び文書作成規定の設定
# 衛生標準手順作業(SSOP: Sanitation Standard Operation Procedure)
- 衛生管理に関する手順のことです。
# QC7つ道具
- 品質に関わる問題を発見するための7つのツールです。
# パレート図
- 項目を多い順に並べた棒グラフと、累積値の線グラフを組み合わせた表です。
- 重点管理すべき事項を抽出できます。ABC分析などに使われます。
# ヒストグラム
- 山のような形に中央が膨らんだ棒グラフで、分布を調べるために使います。
# 特性要因図
- ある事象が起きている原因を分解する図です。Fishbone chart(魚の骨)とも呼ばれます。
- ある特性を大骨、その要因を中骨、要因の要因を小骨、さらに孫骨と分解して表現します。
# チェックシート
- チェック項目を並べておき、チェックするだけで結果がわかるようなシートのことです。
# グラフ
- データを図式にすることで全容を明らかにする表です。
- 数量の比較や時間による変化を一目でわかるようにします。
# 散布図
- 2つの特性で縦横の軸を取って打点し、相関関係を見る図です。
- 右肩上がりのものを正の相関関係、右肩下がりのものを負の相関関係と呼びます。
- 相関が見られないもの(全体に散らばっているようなもの)は無相関といいます。
# 管理図
- 連続で観測した値を打点した図で、上限値や下限値を設定されています。
- 品質のばらつき等を把握し、再発防止の策を行います。
- 管理図には以下のような種類があります。
- X-R管理図
- x管理図
- s管理図
- P管理図
- Pn管理図
- c管理図
- u管理図
- 上限値をUCL(Upper Control Limit)、下限値をLCL(Lower Control Level)といいます。
# 新QC7つ道具
- 言語データを対象とした整理分析ツールです。
- QC7つ道具が問題発見で使われるのに対し、新QC7つ道具は仮説や検証の段階で使用されます。
# 親和図法
- 様々な意見や情報を整理する方法です。
- 以下のステップで実施します。
- テーマを決める
- 自由な発言をカードに書く
- 似ている発言をグループ化する
# 連関図法
- 問題点と要点をあげ、因果関係でつなぎ、全体を把握する方法です。
- 以下のステップで実施します。
- 問題点や要因をブレーンストーミングで出す
- 因果の流れに基づいて矢印でつなぐ
- 重要なポイントを絞り込む
- 結論と対策を決める
# 系統図法
- 目的と手段の階層を繰り返して可視化する手法です。
# マトリクス図法
- 2つの要素を二次元の表で縦横に配置して、要素間の関連などを明らかにする手法です。
# アローダイヤグラム
- 作業の実施順序と所要時間を矢印で繋いだ図に表現し、クリティカルパスを見つけ出す手法です。
# PDPC法(PDCP: Process Decision Program Chart)
- あらかじめ発生する事象を予測して並べ、望ましい結果に至るプロセスを定める方法です。
# 検査
- 適合性を評価するプロセスです。
# 全数検査
- ロット内に含まれる品物が全て良品であることを保証するため、全ての品物を検査する手法です。
- 1つでも不良品があると致命的な被害が出る時や、1つ1つの品物が高価な時に実施されます。
# 抜取検査
- ある品物を一部抜き取って判定基準と比較することで、そのロット全体の問題有無を仮定する手法です。
- ある程度の不良品が許される製品で、抜取りがランダムに行えて、品質基準が明確な場合に限り実施できます。
# 工程管理
- 生産計画を立てて、計画通りに生産実施するための統制を行うことです。
# 生産統制
- 生産計画との際を管理し、実績と際が発生した時に必要な対策を講じることです。
# 作業統制
- 作業の進捗管理、現品管理、余力管理を行うことです。
- 生産統制における中心的な役割を担います。
# 進捗管理
- 仕事の進み具合を管理し、調整することです。
- 目的は、納期を維持すること、生産速度の維持と調整の2つです。
- 進捗管理には次のようなツールを使用します。
- ガントチャート
- 製造三角形: 日付と累積生産量のグラフで、計画と実績を比較
- 流動数曲線: 日付と累積生産量のグラフで、受注した量と生産量により仕掛かりを把握
- カムアップシステム: やるべきことを喚起する仕組み
# 余力管理
- 個々の作業者について余力の有無を確認し、作業の再分配やロットサイズ変更などで改善を行います。
- 余力がある場合は、予定を繰り上げて生産するなどで余力の調整を行います。
# 倉庫
- 財貨を保管して、滅失や損傷を防止するための施設のことです。
# 倉庫の機能
- 倉庫は以下の機能を担います。
- 現品管理: 資材の受け入れ、保管、払い出し
- 在庫統制: 適正在庫の維持、在庫状況の情報提示
- 作業準備: 生産計画に合わせた払い出し準備、運搬
- 資材節約: 材料切断、残材・廃材の活用
# フリーロケーション
- 在庫の配置方法の一種です。
- 資材の置き場所に番号をつけるだけで置き場所を指定しない方式です。
# フィックスドロケーション
- 在庫の配置方法の一種です。
- 保管区域を定めてその範囲内に配置する方式です。
# ゾーンロケーション
- 在庫の配置方法の一種です。
- 一定の範囲を指定してその範囲でフリーロケーションを行う方式です。
# ピッキング
- 製造または出荷のために必要な資材をひとまとめにする作業工程です。
# 種まき方式
- ピッキングの一種です。
- 伝票に従って必要な量を集計しておき、資材の種類ごとに仕分け作業をする方式です。
# 摘み取り方式
- ピッキングの一種です。
- 伝票ごとに仕分け作業を行う方式です。
- 必要なものを摘み取っていく作業です。
# 工程分析
- 作業工程を分析する手法です。
# 工程分析の分類
- 作業工程は次の内容に分類されます。
- 加工: 形状や性質に変化を与える工程です
- 運搬: 位置に変化を与える工程です
- 検査: 数量や品質の合否を判定する工程です
- 停滞: 貯蔵または滞留の状態です
# 流れ線図
- 工場内の配置図、または設備/機械のレイアウト図に対して、加工物の配置/設備配置/運搬方法などを記載して改善するための図です。
- 運搬回数や、流れの逆行などを改善します。
- なるべく一方通行かつ単純な運搬経路になるようにすべきです。
- 衝突/混乱を避けるために運搬経路が交差しないようにします。
# 連合作業分析
- 人と機械、あるいは複数人が共同で行う作業を分析する手法です。
# マテハン(Material Handling)
- 物品の運搬に関する管理で、積み込み/荷下ろし/貯蔵/収納まで含めた範囲を管理します。
# 運搬工程分析
- 4つの運搬工程分析の記号を使い、ヒト/モノ/運搬機器の動きを明らかにすることで問題点を抽出する分析手法です。
- 以下の記号を使います。
- 移動
- 取扱い
- 加工
- 停滞
# 運搬活性分析
- 置かれたものの取扱いやすさを評価する分析手法です。
- 以下の記号および運搬活性指数を使います。
置き方 説明 活性指数 ばら置き 床や台などにバラで置かれた状態 0 箱入り コンテナや束でまとめられた状態 1 枕付き パレットやスキッドで起こされた状態 2 車上 車に乗せられた状態 3 移動中 コンベアやシュートで動いている状態 4
# 作業管理
- あらかじめ標準作業と標準時間を設定し、それを維持するための管理活動です。
# 標準作業
- 作業時間/作業順序/作業条件/作業方法/使用材料/使用設備..などに関する基準です。
- 作業は主作業、付随作業、準備段取り作業に分かれます。
# 主体作業
- 仕事の直接的な目的である加工工程(材料の変形/変質)に直接寄与する作業のことです。
# 付随作業
- 主作業を進めるため、主作業に対して付随して発生する間接的な作業です。
- 材料の取り付け/取り外しなどの作業が該当します。
# 準備段取り作業
- 主体作業を行うために必要な作業のことです。
- 準備/段取り/後始末/運搬などが該当します。
# 作業時間
- 作業時間は実労働時間と手待ち時間の合計です。
- 実労働時間は、直接作業時間と間接作業時間に分解されます。
# 標準時間
- 標準的な作業者が、標準的な作業を行う際にかかる時間のことです。
- JISの定義では以下の通りです。
その仕事に適性をもち、習熟した作業者が、所定の作業条件のもとで、必要な余裕をもち、正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要とされる時間
- 標準時間は、主体作業時間と準備段取り時間に分解されます。
# 主体作業時間
- 主体作業(直接加工を行う作業)を実施するために必要とされる時間です。
- 主体作業時間は、正味時間と余裕時間に分類されます。
# 正味時間
- 主体作業/付随作業/準備段取り作業を遂行するために必要な直接作業の時間です。
# 余裕時間
- 作業遂行に必要とに止められる遅れの時間です。
# 余裕の種類
- 余裕(遅れの時間)は以下のような種類があります。
- 余裕
- 一般余裕
- 人的余裕
- 用達余裕: 生理現象のための不稼働時間
- 疲労余裕: 疲労回復のための時間
- 管理余裕
- 作業余裕: 正規作業以外の作業に使う余裕
- 職場余裕: 材料切れや機械故障などの管理による制約時間
- 人的余裕
- 特殊余裕
- 機械干渉余裕: 1人で多数の機械を扱う時に起きる手待ち時間
- 習熟余裕: 作業習熟までにかかる所要時間の差
- 組余裕: 複数人が同じ作業をするときに起こるロス時間
- ロット余裕: ロットサイズの違いによる段取り時間の差
- 一般余裕
# 余裕率
- 正味時間あるいは標準時間に対する余裕時間の割合です。
- 余裕率の計算方法は2つあり、以下の式で計算します。
- 外掛け法: 余裕率 = 余裕時間 ÷ 正味時間
- 内掛け法: 余裕率 = 余裕時間 ÷ (正味時間 + 余裕時間)
# IE: Industorial Engineering
- 工場の現場作業を改善するために行う作業の分析手法です。
- 作業研究とも言います。
- IEは、方法研究と作業測定の2つで構成されます。
# 方法研究
- 作業や製造方法を分析して改善するための手法です。
- 方法研究は、工程分析/作業分析/動作分析に分類されます。
# 工程分析
- モノの流れを加工/運搬/検査/停滞の4つに分類して、それらを記号で表記することによって問題点を把握する手法です。
- 工程分析は、製品工程分析/流れ分析/事務工程分析に分かれます。
# 製品工程分析
- 製造プロセスを工程図記号で表現して分析する手法です。
- 以下の図を用いて表現します。
- ○記号: 加工
- ○と→記号: 運搬
- ▽記号: 貯蔵
- □記号: 数量検査
- ◇記号: 品質検査
# 流れ分析
- 材料から製品に至るまでの流れを工程図記号で表現して分析する手法です。
# 事務工程分析
- 事務工程における情報の流れを分析する手法です。
# 作業測定
- 作業や製造方法を分析して作業効率の評価や標準時間設定を行うための手法です。
# 連合作業分析
- 複数人、または人と機械が共同して行う作業の効率を分析する手法です。
# 動作分析
- 作業者が行うすべての動作を分析する手法です。
# サーブリッグ記号
- ギルブレスによって開発された動作分析手法です。
- サーブリッグ記号という記号を用いて動作を分析します。
- 大きく3つの動作に分かれます。
- 第1類: 作業に必要な動作8種
- 手を伸ばす
- つかむ
- 運ぶ
- 調べる
- 組み合わせる
- 分解する
- 使う
- 放す
- 第2類: 作業を妨げる動作6種
- 位置を決める
- 探す
- 見つける
- 選ぶ
- 考える
- 前置きする
- 第3類: 作業ではない動作4種
- 保持
- 避けられる遅れ
- 避けられない遅れ
- 休憩
# モーション分析
- 長時間作業を記録した映像を高速再生して分析する手法です。
- 無駄な動きなどが誇張されて見えるため、焦点を絞った分析で有効です。
# VTR分析
- 映像を再生して分析する手法です。
- 早送りで見るとモーション分析になります。
# 時間研究
- 作業を単位で区切ることでその作業を実行するために必要な所要時間を計測する手法です。
# 直接測定法
- ストップウォッチを使って作業時間を測定する方法です。
# レイティング係数
- 通常の作業時間は、通常の作業者が通常の速度で行った作業の時間を使います。そのため、通常の速度となるように調整した値を使用します。
- 測定値を通常の速度に戻すことをレイティングと言い、レイティング処理に使う値をレイティング係数といいます。
# 正味時間
- レイティングで調整した後の時間のことです。
- 正味時間は次の方法で計算します。
- 正味時間 = 測定時間の代表値 × レイティング係数
# PTS法: Predetermined Time Standard System
- 作業者の動作を微細な動作まで分解し、標準時間を算出する手法です。
# WF法: Work Factor method
- PTS法の1つです。
- 動作を次の4ファクターに分解して分析します。
- 使用する体の部位
- 動作の距離
- 重量や抵抗
- 調整作業(方向の調整や注意等)
# MTM法: Method of Time Measurement
- 作業を10種類の基本動作に分解して、それらの動作に所定の時間を割り当てることで標準時間を算出する方法です。
# 稼働分析
- 作業者または機械の稼働率を求める手法です。
# 連続観測法
- 1日中作業者につきっきりで状態を記録する方法です。
- 観測者が録画されていることを意識すると、通常と異なる値が出てしまう点に注意が必要です。
# ワークサンプリング法
- 普段の作業を瞬間的に観測して、統計的に稼働状況を記録する手法です。
- サンプル数が少ないと誤差が生じます。
- 瞬間的な分析のため、深い問題の抽出は難しいです。
# 職務設計
- 作業者の労働意欲を高めるために分担する作業内容を計画することです。
- 作業者が働きがいを感じて積極的に作業へ取り組む職務の設計が必要です。
- 次のような事項を抽出します。
- 作業の内容
- 労働負担
- 労働環境
- 危険の有無
- 職務要件
- 責任範囲(結果責任、指導責任、監督責任)
- 作業者の権限
- 等
# 設備保全
- 設備劣化や故障停止の状況を修復等によって延命する活動です。
# 予防保全
- 故障前に未然防止の策を実施することです。
# 定期保全
- 定期的に保全活動を行うことです。
# 予知保全
- 機器の異常などを検知して保全活動を行うことです。
# 事後保全
- 危機に異常が発生してから保全活動を行うことです。
# 改良保全
- 過去に発生した故障が再発しないように改良する保全活動です。
# 保全予防
- 過去の経験を活かして故障しにくい機器を開発することです。
# 故障
# 停止型故障
- 設備が使用できない状態に至ることです。
# 劣化型故障
- 設備は使用できるけど、不良が発生したり、歩留まりが低下したりしている状態のことです。
# バスタブ曲線
- 経年劣化によって不良の発生頻度が高まる現象をグラフ化したものをバスタブ曲線と言います。
- バスタブ曲線は3つのフェーズを通ります。
- 初期故障期: 導入直後の不良で、設計ミスや熟練度が低いことによるエラーの時期です。
- 偶発故障期: 安定した時期です。運転のうっかりミスなどが主なエラーです。
- 摩耗故障期: 劣化による欠陥が現れる時期です。
# 平均故障時間(MTTF: Mean Time To Failure)
- 故障までの平均稼働時間のことです。
- 故障が許されないような機器の信頼性を算出します。例えば電球など。
- 以下の式で計算します。(計算式はMTBFと同じ)
- MTTF = 総稼働時間 ÷ 故障回数
# 平均故障間隔(MTBF: Mean Time Between Failure)
- 故障までの平均稼働時間のことです。
- 故障が許されるような機器において、故障と故障の間で稼働した時間の平均動作時間から信頼性を算出します。
- 以下の式で計算します。(計算式はMTTFと同じ)
- MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数
# 平均修理時間(MTTR: Mean Time To Repair)
- 修理にかかる時間の平均時間のことです。
- 以下の式で計算します。
- MTTR = 総修理時間 ÷ 故障回数
# 可用率
- 必要な時にシステムが動作している時間のことです。
- 以下の式で計算します。
- 可用率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
- MTBF + MTTR は動作時間と修理時間の合計(システム運用の全期間相当)です。
# 設備総合効率
- 設備の使用効率を示す指標です。
- 以下の式で計算します
- 設備総合効率 = 時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率
- 各要素は下記の通りです。
- 時間稼働率: 故障や停止のロスを考慮した稼働割合です。
- 性能稼働率: 生産速度低下などのロスを考慮した稼働割合です。
- 良品率: 不良品や手直しによるロスを考慮した稼働割合です。
# 生産現場改善
- 問題点を発見して生産現場のオペレーションを改善することです。
- 一般的に次のステップで実施します。
- 問題点の抽出: PQCDSME, 4M, QC, 5W2H で抽出
- 現状分析
- 原因の抽出: 工程分析, 作業分析, 運搬分析, SLP, ラインバランシング等で抽出
- 改善方針の決定: ECRS, 3S, 5S等で決定
- 制約条件の調査
- 改善案の作成: ブレーンストーミング, K法
- 効果の予測
- 実行
- 標準化
- 改善前後の差異分析
# 5W2H
- 5つのWと2つのHを使って状況を整理する手法です。
- 次の要素を使います。
- Why: なぜ
- What: 何を
- When: いつ
- Who: 誰が
- Where: どこで
- How to: どのように
- How much: いくらで(生産改善なので原価で)
# PQCDSME
- 製造業の生産テーマである7つの指標の頭文字です。
- P(Productivity): 生産性
- Q(Quality): 品質
- C(Cost): コスト
- D(Delivery): 納期
- S(Safety): 安全性
- M(Morale): モラル、士気
- E(Environment): 環境
# ECRS
- 改善指針の1つです。イクルスと読むそうです。
- 4つの改善事項について改善効果の高い順に並べたものです。
- E(Eliminate): 無くせないか
- C(Combine): 結合できないか
- R(Rearrange): 順序を変更できないか
- S(Simplify): 簡素化できないか
- 簡素化したものはアウトソーシングの活動などの検討に繋げることができます。
# 3S
- 業務を効率的に行うためのフレームワークです。
- 次の3つのSの頭文字です。
- Simplification: 単純化、複雑さを減らすことです。
- Standardization: 標準化、標準を定めて管理可能にすることです。
- Specialization: 専門化、特定機能に特化して効率化することです。
# 5S
- サ行の言葉で始まる5つの言葉の頭文字です。改善の基礎です。
- 整理: いるものといらないものを分けて、不要なものを捨てることです。
- 整頓: いるものを決められた場所におくことです。
- 清掃: 掃除をして綺麗にすることです。
- 清潔: これまでの整理/整頓/清掃を継続することです。
- しつけ: ルール/規則を守ることです。
# 動作経済の原則
- 作業者が合理的に作業をするための経験則です。
- 身体の原則/配置の原則/設備・工具の原則 の3つがあります。
- 身体の原則
- 両手の動作は同時に始め、同時に終わること
- 同時に両手での空き時間を作らないこと
- 両手の動作は鏡写しに同時に同じ動作をすること
- 動作は最小限にすること
- なるべく惰性(動きの勢い)を活用すること
- ジグザグや急転換をしないスムーズな動作をすること
- 楽で自然なリズムで作業ができるようアレンジすること
- 注視する回数を減らすこと
- 配置の原則
- 工具や材料は定位置に置くこと
- 工具、材料、制御設備は作業場所に隣接し、前面に置くこと
- 重力を利用すること
- 最良の動作で行えるように材料や工具を配置すること
- 視覚を確保すること
- 正しい姿勢を取れる椅子を各人に揃えること
- 設備・工具の原則
- 取付具、足を使って有効にできる仕事に手を使わないこと
- 工具はなるべく組み合わせること
- 固体能力に応じて作業量を調整すること
# 目で見る管理
- 作業者、または管理者が異常や進捗を一目でわかるようにする工夫のことです。
- 次のようなものがあります。
- 赤札: いるもの/いらないものの分類に使う札です。
- 看板: どこに何がどのくらいあるかを示すものです。
- 白線: 仕掛品の置き場所や通路を明らかにするものです。
- 赤ライン: 最大積載量などを示すものです。
- 行燈(アンドン): 工場内の異常を知らせる表示灯です。
- かんばん: Just in time方式で使用する部品要求の情報です。
- 生産管理板: 生産実績や稼働状況などを記入するホワイトボードです。
- 晒し首: 不良を見せしめにする失敗品の現品です。
# 段取改善
- 段取り替えに掛かる時間を減らして効率生産をするための改善活動です。
- 次のステップで実施します。
- 現状分析
- 内段取りと外段取りの分類
- 内段取りの外段取りか
- 内段取り時間の短縮
- 外段取り時間の短縮
- 効果の評価
# 段取り替え
- 次の作業の準備などに使われる時間です。
- 内段取り替え: 機械やラインを止めて行う段取りです。
- 外段取り替え: 機械やラインを止めずに行う段取りです。