Publish: 2024/2/13
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# 午後2(R5)を解く - 問1

令和5年度の午後2問題を解いてみます。


# 過去問


# 章に分解する

  • 設問ア

    • あなたが携わったITシステムの改善要望の分析において、事業概要、分析の対象となる業務とITシステム利用部門からの改修要望、利用部門の問題認識について、事業特性とともに800字以内で述べよ。

  • 解答ラベル

    • 第一章 ITシステムの改善要望と問題認識
    • 1.1 事業概要と分析対象の業務及びITシステム
    • 1.2 利用部門からの改修要望と問題認識
  • 設問イ

    • 設問アで述べた改修要望に対して、あなたはどのような情報を収集し、どのように分析し、どのような問題の真因を特定したか。工夫したこととともに、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

  • 解答ラベル

    • 第二章 情報分析と特定した問題の真因
    • 2.1 収集した情報、分析方法および問題の真因
    • 2.2 分析において工夫した点
  • 設問ウ

    • 設問イで述べた問題の真因について、あなたは利用部門や関係部門とともにどのように協議し、どのような対応方針を立案したか。600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

  • 解答ラベル

    • 第三章 関係部門との協議と立案した対応方針
    • 3.1 利用部門や関係部門との協議
    • 3.2 立案した対応方針


# 各章で記載すべき事項

  • 第一章 ITシステムの改善要望と問題認識
    • 1.1 事業概要と分析対象の業務及びITシステム
      • 事業特性

      • ITシステムの機能

      • ITシステムの利用状況

    • 1.2 利用部門からの改修要望と問題認識
      • 改修要望の内容

      • 利用部門の問題認識

      • 現状の業務プロセス

  • 第二章 情報分析と特定した問題の真因
    • 2.1 収集した情報、分析方法および問題の真因
      • 全社視点での多面的な分析

    • 2.2 分析において工夫した点
      • 全体最適の視点

      • 関連する問題、同様の問題

  • 第三章 関係部門との協議と立案した対応方針
    • 3.1 利用部門や関係部門との協議
      • 解決手段

    • 3.2 立案した対応方針
      • スケジュール

      • 実行体制

      • 投資効果


# 論文案

# 設問ア

第一章_ITシステムの改善要望と問題認識_____
1.1_事業概要と分析対象の業務及びITシステム_
_A社は全国にハンバーガーの販売店舗をチェーン展開
する企業であり、店舗で調理した出来立てのハンバーガ
ーを提供し、多くの顧客からの支持を得ている。A社は
店舗オペレーションを徹底的に効率化し、早く、安く、
美味しいハンバーガーの提供を実現することで顧客の信
頼を得て規模を拡大してきた。___________
_A社は効率的なオペレーションを徹底しており、競合
の飲食店と比べても高い顧客の回転率を実現できている。
しかし、昼食時には長い行列ができており、しばしば購
入を諦める顧客も見られる。このような顧客を取り入れ
ることができれば、更なる事業の拡大が期待できるとい
う特性があるため、店舗では調理オペレーションの更な
る効率化が求められている。____________
_A社は注文時に使用できるスマートフォンアプリを複
数展開しており、①新商品の情報やクーポンチケットを
発行するアプリ、②アンケート回答者に割引クーポンを
発行するアプリ、③ドライブイン専用のモバイルから事
前オーダーできるアプリの3種類である。顧客は店舗で
クーポンを提示し、店舗社員がクーポンコードを決済端
末で読み取ることで、値引きクーポンを使用することが
できる。_____________________
1.2_利用部門からの改修要望と問題意識_____
_店舗の管理部門からIT部門に対して、アプリの使い
やすさを改善してほしいという改修の要望があった。店
舗の問題意識は、顧客が店舗で注文する際にクーポン表
示で手間取る方が多く、それが行列の原因になっている
と考えていた。__________________
_私はA社のITストラテジストとして、次のような分
析を行い、問題の真因を探ることとした。

# 設問イ

第二章_情報分析と特定した問題の真因_______
2.1_収集した情報、分析方法および問題の真因__
_私は、クーポン表示に手間取るという問題の真因を探
るため、既に収集されているアンケートデータを分析し、
顧客の声を収集することとした。注文の待ち時間に関し
て、特にアプリに起因する内容として、「複数のアプリ
にクーポンが散らばっており、注文時の提示に時間が掛
かっている」という問題が明らかとなった。_____
_私は、行列が発生する真因はクーポンが複数アプリに
散らばっていることで、注文に時間がかかっていること
であると仮定した。そして、現場で目視して実際の注文
に掛かる時間を測定し、クーポンの有無で注文時間にど
れほどの差が生まれるかを調査した。その結果、複数の
クーポンを利用する客は、そうでない客の3倍近い時間
を注文に掛けているということが明らかとなった。__
_「注文に時間が掛かる」という真因の他に、「店舗注
文の窓口が1ヶ所しかない」という点も要因であると判
断した。そこで、徒歩で来店される顧客もモバイルオー
ダーを使えるようになれば、注文に掛かる時間を大きく
短縮し、行列を解消できるのではないかと考えた。__
2.2_分析において工夫したこと_________
_今回の分析で工夫したことは、顧客の視点に立って分
析を行ったことである。これまでの効率化においては、
店舗のオペレーションをいかに効率化すべきかに注力し
てきたが、顧客の動作を分析の範囲に含めることによっ
て、真のボトルネックを突き止めることができたと考え
ている。また、実際の顧客の声であるアンケートを分析
に使ったことで、顧客のニーズに応えつつ、効果の高い
施策に繋げられると考えた。____________
_私は、これまでの3種類のアプリを1つに統合した新
しいアプリを開発することで、顧客のニーズに応えつつ、
注文の待ち時間を減らす施策を考えた。実現のためには、
店舗側の協力が必要になる上、開発に一定のコストが掛
かるため、これらの内容を資料に整備し、関係部署と対
応方針を協議することとした。

# 設問ウ

第三章_関係部門との協議と立案した対応方針____
3.1_関係部門との協議_____________
_経営層に対する説明にあたり、私は関係する部署との
役割分担が重要であると考えた。特に、徒歩来店客に対
するモバイルオーダーは店舗社員のオペレーションを複
雑にし、反対を受ける恐れがあると考えた。そこで私は、
店舗管理部門、開発部門、広報部門などのメンバーを招
集し、対応方針に関する議論を行った。_______
_開発部門による試算では、6ヶ月後にアプリのリリー
スができる見込みであることを確認した。そこで、店舗
管理部門に対しては、リリースの2ヶ月前までに新しい
オペレーションマニュアルを提供し、店舗内で新しいオ
ペレーションに関する事前教育を行うスケジュールを提
案した。もともとドライブスルーではモバイルオーダー
を受け付けていた経緯もあり、店舗管理部門は1ヶ月の
教育期間があれば十分との見解を示した。また、店舗教
育は店舗管理部が担うことで合意した。顧客に対する案
内は広報部が担い、旧アプリの終了と新アプリの展開に
ついて、早い段階から広報を始めることで合意を得た。
_投資対効果については、コンサルタントから市場デー
タを得て、モバイルオーダーによって得られる収益が投
資額を大きく上回る見込みであることを確認した。__
3.2_立案した対応方針_____________
_関係部署と協議した内容も含めて、「行列のできない
繁盛店を実現する」という対応方針を経営層へ改善提案
として説明したところ、高い評価を得ることができた。
ただし、企画の推進にあたっては2点の指摘があり、①
開発期間を短縮すること、②店舗オペレーションと連動
したスムーズな切り替えを実現すること、が残課題とな
った。______________________
_私は、開発部門と連携し、既存のモバイルオーダーア
プリで使用している既存機能を流用して開発期間を短縮
するよう要望した。その結果、1ヶ月の短縮であれば実
現可能であるとの回答を得た。店舗オペレーションにつ
いては全社員に向けて新しいアプリ及びオペレーション
の事前説明会を開くことで、スムーズに切り替えるため
知識を展開することとした。____________
_リリースの結果は想定以上にモバイルオーダーの需要
が高く、まさに「行列のできない繁盛店」の実現をする
ことができた。
ー以上ー

以上